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お互い風呂から上がった後、リビングのソファの横並びで座った。
緊張する……。
速水さんに気付かれないように、ゴクッと唾を一回飲み込んだ。
すると速水さんは、こんなことを話し始めた……。
「心君。夜、眠れてる?」
「え?」
突然何だろう?と思いつつ、俺は「はい」と答えて頷いた。
「そっか。それなら良かった。あんな怖いことがあったから、不安で眠れない日が続いているんじゃないかと思って心配で……」
「あ……」
心配、してくれていたんだ……。
まあ、確かにあまり眠れない日もあったけど、それはあの事件のせいと言うより、速水さんにフラれたらどうしようという不安によるものだった。
心配してくれるのは凄く嬉しい。でも、別れたくはない……。
「それでね、心君」
「は、はい」
本題、来た……。
俺は膝の上で握った拳にグッと力を込めた。
すると彼はーー。
「一緒に、暮らさない?」
「……え?」
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