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「速水さん……」 「君を守りたいって気持ちはもちろんあるけど、何より君が好きだから一緒にいたいとも思ってる」 「……っ」 何だ…… そういうことだったんだ。 別れ話じゃなくて……ずっと一緒にいる提案を考えてくれてたんだ……。 「うー……」 「こ、心君?」 張り詰めていたものがプツンと切れた感じがして、俺は思わず泣いてしまった。 「ど、どうした? あ、もし一緒に暮らすのが嫌だったら断ってくれて全然構わないけど……」 「こ、断るわけないじゃないですか〜……! 嬉しいんですよ〜……!」 「本当……? 良かった……」 「で、でもアパートの家賃は親に出してもらってる状況なので、再来年の更新時まで待ってください……」 「うん、それはもちろん。じゃあそれまでに、必要な物を二人でゆっくりと揃えていくのもいいね」
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