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2.別れ(1)
僕達はそれからずっと話をし、気づけば夕日が山に隠れようとしていた。
女の子の名前は、「ヒコちゃん」と言った。
本当はもっと長かったが、呼びにくいということで二人であだ名を考えたのだ。
「じゃぁまたね!」
暗闇の道中、黄色みを帯びた街頭が照らす光の中で、未だ階段に座っているヒコちゃんに手を振り、自転車で駆け出した。
結局、風で聞き取れなかったあの言葉は聞けなかったけど、いつかまた聞けると信じて家に帰った。
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