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だけど付き合い始めて二年を過ぎた頃、俺は少しだけ、自分がしている事は本当に正しいのかわからなくなってきた。
彼女はよく泣く。そして、怒る。
俺が彼女を特別だと思っていない、と。
別に私なんていなくてもいいんだ、と。
それは俺が大好きな友だちとよく遊びに行くからだ。
もっと彼女の事を見なきゃと思い、彼女を知ろうとするけど、それでも彼女は泣き止まない。
そんなに彼女が苦しむのは、全部自分のせい。
そう思い始めた。
だから俺はいつか彼女から離れなきゃと、身を引かなきゃと、そう自分に言い聞かせてきた。
だけど俺はそれからもずるずると付き合いを続けた。彼女に約束した、『一生大切にする』という言葉を言い訳にして、俺は彼女から離れなかった。相変わらずみんなは別れた方がいいと言うのに、相変わらず俺は彼女を泣かせるのに、それでも俺は自分のために付き合いを続けていた。
そしようやく別れを決意できたのは卒業というタイミングだった。でも俺はその後自分の行いを強く後悔することとなった。俺が別れを言うと、彼女は酷く泣き叫んだのだ。
このままだと苦しむだけだよ。
幸せになってね。
泣き続ける彼女に俺はそんな薄っぺらい台詞を浴びせていた。
ついに走り去ってしまった彼女を追いかけそうにもなった。
俺だってずっと一緒にいたいよ。
その言葉を必死で胸の奥に封じ込めながら、俺は彼女の背に謝り続けていた。
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