ハッピーエンド

優一

　それからも俺は何度も彼女に電話をかけようとした。メッセージを送ろうと文を打っては消すを繰り返した。

　俺はずっとここにるよ。

　そう言ったのに、もう彼女と会わない方がいいと勢いで就職先の近くに引っ越した俺は嘘つきだ。それに彼女と交した約束。『一生』なんて言葉、使うんじゃなかった。そう何度も自分を責めていた。きっと彼女は俺の事を恨んでいる。酷い別れ方をした挙げ句、連絡一つよこさない俺を酷く嫌ったに違いない。
　でも、もしそうならそれが本望だ。彼女は俺といない方がいい。もっといい人と出会って幸せになるのがいい。
そう思っても、本当の俺はどうしようもなく自分勝手だ。あの時のように彼女が突然俺の前に現れて、そして再び一緒にいられたらと、仕事終わりいつも橋の上で考えていた。