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名前の通り優しい幼なじみの彼、優一の事が、私は小学校の頃から好きだった。転校生という名のよそ者だった私に優しく接してくれたのがきっかけだ。
中学の時優一の部活が終わるまで図書館で勉強をし、帰る優一の後を密かに追う事を繰り返していた。部活仲間がはけて一人になった優一と帰るためだ。遅くまで勉強している私を優一はよく褒めてくれた。本当は優一を待っていたなんて、口が裂けても言えなかった。
高校に入っても続いたそんな日常のある日。
私は息を吐くように優一に告白した。
期待なんて皆無だった。
部活を言い訳に彼女を作らない優一でもその見た目や人となりでよくモテるから、 私の事など気にも留めていない。
そう思っていたからだ。
だが、優一が放った一言は私の運命を大きく変えた。
「俺も好きだよ。」
優一は確かにそう言った。
もし優一が違う答えを出していたら。
私はきっと全てを諦められていただろう。
だが彼はそう答えてしまった。
それだけでは足らず、更に優一は言った。
「一生大切にするから。」
一生という大事な言葉。
その一言が、私をどうしようもなく狂わせてしまったのだ。
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