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ー夜ー
白視点
あいつらや普通の生徒は寝ているこの時間、俺はいつもの服に着替え、仮面をつけ、学園を抜け出していた。
学園が建つ山を降りたところにある街の裏道に入る。
するとそこはもう不気味な雰囲気の漂う危険な場所。
大怪我をしても、穢されても、何をされようが、文句は言えない。
ここは危険で捕まると色々とまずい場所だが、俺が認めてる奴らに会うための唯一の場所だ。
俺はあいつをよく見ていたこともあってか、怪我をさせられるなんてへまはしたことがねえから、俺はるみの許可が出ればいつもここに来ている。
…誰かいるなぁ。
あそこにいるのは赤か?気配に気づかないなんて珍しいな。いつもは俺が来たらすぐに振り向いて、俺だとわかれば犬みてぇに近寄ってくるんだが…。
赤は昔、殴られていたところを俺が助けた。俺に稽古をつけてほしいって何度も頼み込んで来やがったから仕方なく教えてたら、今では俺と同等といえるほど強くなった。
正直に言うと頼もしいが、最近は赤が敵になったら絶対勝てるって言えねぇから、少し焦ってる。
俺は赤に近づいて声をかけた。
白「…赤。」
赤「!!…白、来てたのか、気づかなかった。」
白「…なんかあったか?」
赤「少しな。」
白と赤「「......。」」
どうやら随分衝撃的だったらしい。赤が俺といて黙り込むなんてなぁ。明日は雨でも降るんじゃないか?
???「あ!赤と白だ!!」
???「ホントだ!」
???と???「「おーい!!」」
???「ふたりとも、走らないでください!行きますよ、紫。」
???「…ん。」
来たな。
白「普段よりも騒がしいなぁ、緑、黄色。何かいいことでもあったのか?」
緑と黄色「「そうなんだよ!!」」
緑「いいおもちゃになりそうな子がいたの!」
黄色「面白い子がいたの!」
緑と黄色は双子で、どこに行くにも一緒。敵を混乱させることが得意で、混乱しているすきに絶え間ない攻撃を繰り出し、相手を気絶させる。
笑いながら攻撃をしてることが多く、混乱させるのが楽しいらしい。
普段はよく笑うただの子どもみてぇだが、暴力を楽しんでるとこは、そうゆう奴を見慣れている俺でさえもゾッとする程恐ろしい。
そんな双子に目をつけられるなんて、本当に災難なやつだな、そいつ。
白「…良かったな。」
青「…赤が私達が来たことに全く気がついてないようですが、何かあったのですか?」
白「何かあったらしいが、詳しくは本人に聞け。俺は知らねぇ。」
青「そうですか。…」
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