Vとノアの研究所 Ⅷ

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Vとノアの研究所 Ⅷ

 ぷーっくっぷぷっ、ぷぷー。  ノアがVの研究室のドアを開けた瞬間、とっても間抜けな音が呑気に空気を揺らした。  ノアの目が極限まで冷め切る。 「……博士、粗大ごみが出せなくて部屋が狭いからって、いじけて遊ぶのはやめてください」 「粗大ごみじゃない! これは私が発明したトッテモヘンナオトーだ!」 「ネーミングセンスを粗大ごみに出したんですか? ああ違うか、粗大ごみに出せるような大きさじゃないですよね」 「さっきからノアとても失礼じゃないかい?」  なにやら巨大なダンボール箱の後ろからひょこっと顔を出し、Ⅴは頬を膨らませる。はっきり言って成人男性の所業とは思えない。  まあ正確に言うならVの年齢は不明で、目元もボサボサの前髪に隠れているが、無駄に高い身長からすると二十歳は超えていそうだ。
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