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倉庫にしまわれていた宝物品もすべて焼けてしまったけれど、さすがに父も呆気に取られて何も言えなかったようだ。
こっぴどく叱られるに違いないと思っていた私は拍子抜けしてしまった。
だけど、その代わり、その日から私は周囲から"魔女"として恐れられる存在になったのだった。
「おい、聞こえてんのか、このアマ!
さっさと両手を挙げろ!」
うるさいな。『覚悟』を決めてるんだから黙ってろ。
それはあの子に嫌われる『覚悟』だ。……せっかくいいお友達になれるかもしれないと思ったのにな。
「フ、フローちゃん……?
ねえねえ、大人しく言うことを聞いたほうが……」
「ごめんね、ペチュ。私はこれから、あなたに怖い思いをさせてしまうわ」
「へ……? どういうことどういうこと!?」
私は挑発するように親分に近付きながら、大きく息を吸い込む。
「さあ、どこからでもかかってきなさい!
まとめて相手にしてやるわ!!」
「な、なんだとぉ……? 俺たちと戦おうってのか!?
野郎ども、こいつに襲いかかれ!!」
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