72人が本棚に入れています
本棚に追加
親分の合図とともに、10人ほどの山賊が私を取り囲む。
そして奴らは一斉に私に近付いてくる!
「馬鹿ね、まとめて来いと言われて、本当にまとめて来るなんて」
そう言って私は地面に両手をついた。もちろんそれは降参の合図なんかじゃない。
それは御者さんやペチュに被害がいかないように、引き寄せた敵を一掃する魔法『地と風の輪舞曲』!!
「はああぁぁあああぁっ!!」
その刹那、私の周囲の大地だけが大きく揺れる!
そして同時に風が巻き起こり、私に近付こうとした山賊だけが吹き飛ばされる!!
「ぎゃああああぁぁああっ!?」
「なんだこりゃぁああああぁああぁあああっ!!」
そして、その周辺には私だけが取り残された。
やや離れた場所にいた親分は無事だったけど、私の力にすっかり委縮しているようだった。
「え、詠唱もなしに、地の魔法と風の魔法を同時に操ったのか!?
まさかあの噂は本当だったのか……? このあたりには恐ろしい魔女がいると!
お前があの『黒衣の魔女』か!?」
……黒っぽい服が好きなだけなんだけどな。
最初のコメントを投稿しよう!