第4話『黒衣の魔女』

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 親分の合図とともに、10人ほどの山賊が私を取り囲む。  そして奴らは一斉に私に近付いてくる! 「馬鹿ね、まとめて来いと言われて、本当にまとめて来るなんて」  そう言って私は地面に両手をついた。もちろんそれは降参の合図なんかじゃない。  それは御者さんやペチュに被害がいかないように、引き寄せた敵を一掃する魔法『地と風の輪舞曲(ロンド)』!! 「はああぁぁあああぁっ!!」  その刹那、私の周囲の大地だけが大きく揺れる!  そして同時に風が巻き起こり、私に近付こうとした山賊だけが吹き飛ばされる!! 「ぎゃああああぁぁああっ!?」 「なんだこりゃぁああああぁああぁあああっ!!」  そして、その周辺には私だけが取り残された。  やや離れた場所にいた親分は無事だったけど、私の力にすっかり委縮しているようだった。 「え、詠唱もなしに、地の魔法と風の魔法を同時に操ったのか!?  まさかあの噂は本当だったのか……? このあたりには恐ろしい魔女がいると!  お前があの『黒衣の魔女』か!?」  ……黒っぽい服が好きなだけなんだけどな。
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