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「うんうん、私の魔法なんて全然駄目だもん!
学園に着いたらさ、稽古をつけて欲しいくらいだよ。
……やっぱりやっぱりフローちゃんが"黒衣の魔女"だっていう噂は本当だったんだね。羨ましいよ」
……何? そんなに有名なの、その噂?
ただ黒い服を着て町を歩いてるだけで? 倉庫全焼事件以外は大きな騒動は起こしてないつもりなんだけど。
……たまに町のチンピラをとっちめてたのも除いて。
とにかく何故だか知らないけれど、どうやら私はペチュに懐かれてしまったようで……。
「と、ともかくこれで危機は去ったようですな……。
いやはや、一時はどうなることかと思いましたが。ありがとうですじゃ、フローリア様」
「ありがとうありがとう、フローちゃん!!」
ううん、そんな真っ直ぐな瞳でお礼を言われると、ちょっと照れる。
別にそんなに大変なことをしたわけじゃないし。
でもまあ、いっか。喜んでくれてるんだったら。
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