受け継がれし桃の意志4

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受け継がれし桃の意志4

 それを確認すると今度は、地下への道を探し始めた。 「階段は……っと」  そう呟いていると端辺りに隠れるように配置された下へ続く階段を見つけた。 「あそこですか」  男は真っすぐ階段まで歩くと下へ。一歩一歩、落ち着いた足取りで階段を下りていく。  そこには上から僅かに入ってくる光しか無く薄暗い空間が広がっていた。  でもその向こうには錆びつき鍵のかかったドアが一枚。そのドアには上と下にスライド式の鍵が付いており中からは開けな仕組み。  誰が見ても怪しさを醸し出すそこへ男は近づいて行くと、ドア同様に錆びつき固くなった鍵を開けドアノブへ手を伸ばす。古く耳障りな音を出しながら開いたドアの向こう側は、上からの光が入り口付近にしか届いておらず全体的に真っ暗で何も見えない。  だが男は無警戒のまま一歩、その部屋の中へと足を踏み入れた。  その直後、ドア付近に潜んでいた何者かが男に襲い掛かる――が男はそれを分かっていたかのように、振り下ろされた凶器を手首を受け止める事で止めた。  すると遅れて’F’がライトで辺りを照らし、襲ってきた手に握られた石が答え合わせをするように露わとなった。それと同時に襲い掛かってきた人物もまたその姿を露わにする。  それは酷く汚れた服とぼさぼさになった髪の女性。その目は覚悟と攻撃性を宿していたが、その裏側からは微かに恐怖が顔を覗かせていた。 「浜西美咲さんですか?」  そんな女性に優しく尋ねるその声は突然襲われたとは思えないほど悠々としていた。
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