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受け継がれし桃の意志5
「あいつら……じゃない?」
女性が戸惑うようにそう呟くと、手に固く握っていた石は地面とぶかる音を辺りへ響かせた。
「誰?」
「私は貴方のご両親に依頼されて貴方を探しにきました」
「私……」
両親という言葉に安心したのか、美咲の目からはボロボロと泪が溢れ出した。
「もう大丈夫ですよ」
そんな彼女を男は優しく声を掛け抱き締める。
そして美咲を連れ上へと戻った。床に転がる御伽たちを彼女に見せぬよう誘導するとまだ形状を維持した椅子へと座らせた。
「後ろの方はあまり見ないことをおすすめします」
「あの……これから」
「もう少しでEOCBと救急車が来ますので少々お待ちください」
「はい」
そして男は美咲と共にEOCBの到着を待った。
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