第1章

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第1章

「すいませーん、山中さんの御宅ですかあ?」 「山中さん」 「山中さん!!」 「・・・・・・」  またいつもの通り、山中は留守だった。  郵便屋さんは、やれやれ、また留守か・・・と、肩を落とし、ため息つきながら階段を降りて行った。  そう、今夜も山中は「ちばはよいとこ一度はおいで!」の取材で千葉県内をうろうろし、夜も不在で郵便屋さんに大迷惑をかけているのだ。  (本当にどうしようもないやつだよ)  この佐山さんとの手紙のやり取りもはや13年目。  流石に郵便屋さんも、今度こそいるだろうと思っても、外すことが多いのだ。  山中は、平日の夜しかいないのだ。  ここが、ポイントではあったものの・・・
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