悪女になんかさせない

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 数日後、市内の広場には多くの人が集まった。処刑場には、牢獄服に着替えたロザリーの姿がある。 「これより、ロザリー・アントワの斬首刑を行う」  処刑人がそう叫ぶところを、駆けつけたアシュトンが叫ぶ。 「ロザリー様!!」  その声に気づき、ロザリーがアシュトンの顔を見る。  そしてその瞬間、声にならないまま唇だけで告げた。 『今までありがとう』  その唇の形を見た瞬間、アシュトンは膝から崩れ落ちた。そして子供のようにわんわんと泣いた。  処刑人がギロチン台のレバーを操作し、刃物が空高く上がる。  そして、その下にうつぶせになってロザリーが寝転がり、処刑人の掛け声で刃物が空を切った───。
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