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「しっかし "運び屋" か。今時のクズは堂々としとるのぉ~~」
「違うって!! えん罪えん罪えん罪!! ダマされたんだって!! チョットぉガラン君! 確かキミ、中身爆弾だって言ってたじゃん!」
「試す必要があったのさ、本当にシロかどうかを。というかキミ、多分ヤクでも運んでたろ」
「は、運ばないし! 運びませんし! てかホラ聴いた? 今言ったよコイツ! そう、そうなんでございます私だまされてて!! ホントはこれ――
「爆弾はもっとマズいじゃろ。頭おかしいんかオンシ……」
「んぎぃぃぃ”そうでしたぁ!、あ”待って!!通報は待って! 何でもするからさぁ!!」
「どぉしょっかのぉ、」
「ぬぅぃぃぃいえ!!(威嚇)証拠隠滅!! 悪霊退散!!」
「k、コラっ! あばれるでないキズがひら――つぅか誰が悪霊じゃ! 生きとるわギリ!」
ギリじゃん! と突っこもうとした口を首ごと押し込めるように、ベッドの上で突然興奮しだした患者の頭を、彼女はスリッパで勢いよくブッ叩いた。
『バコンッ』と大きな音が鳴って、そのまま煙を吐いて私はシャットダウンしてしまった。イヤ、これは……ノックアウトだ。多分、
「すごい音したな。大丈夫か、アンヌ」
ダイジョウブジャナイヨ。ミリャワカンデショ、
「大丈夫じゃろ、軽そうじゃし」
ダイジョウブジャナイヨ。カッテニコタエンナババァ、ウゥ、クソ、シカイチカチカ…………
口からの煙と共に、たんこぶからも湯気を立てながら気絶してしまった鳥女を一瞥した後、老婆は元いた揺り椅子へと腰を下ろした。
「……まぁええわい、どのみち、本気で抵抗されたらひとたまりもないしの、」
少しばかり神妙な顔をして、視線は隣、図体の割におろおろとだけしていた大男の方へ向かった。
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