職務事情

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職務事情

eba1f5f7-54e0-4266-a5d2-a1ed969a253d 俺を含め【調停者】は 「被害者の自覚なき被害者」 「犠牲者の自覚なき犠牲者」 「被侵略者の自覚なき被侵略者」 を対象に 「仮性世界へチート転生する夢を見せる」 役目を担っている。 日本人の多くがそういう 「被害者の自覚なき被害者」 「犠牲者の自覚なき犠牲者」 「被侵略者の自覚なき被侵略者」 だった。 なので日本を担当してる俺は 多くの日本人未成仏霊にそうした措置を施している。 日本人のフリをしながら日本のカネを啜りつつ悪意をばら撒いていた者達の罪。 それを幇助していた者達の罪。 そうした罪人達に相応しい罰を裁定するのに 「日本人未成仏霊にアドバンテージを仮想世界で与えてみて反応をみる」 事が必要なのだ。 被害者の自覚なき被害者 犠牲者の自覚なき犠牲者 被侵略者の自覚なき被侵略者 そういう存在へ 加害者の自覚なき加害者 略奪者の自覚なき略奪者 侵略者の自覚なき侵略者 としてのポジションを与えてみる。 他人から食い物にされてた者達を 逆に他人を食い物にできる環境へ置いてやれば どう振る舞うのか? そうした幻想を振りかけて反応を見る。 決して誘導も干渉もしない。 すると大勢がーー 生前の彼らを虐げ搾取していた加害者達と似たような行動を取る。 御都合主義的自己愛行動。 自分に甘い生き方だ。 自分を甘やかし御都合主義的自己愛行動をとって、それで通用する人生。 そういうものを見せつけられると人は 「真似したい」 という欲望が働くのかも知れない。 機会さえ与えられれば御都合主義的自己愛行動をとる。 これはNPCに多く見られる反応である。 下等生物レベルの環境の産物。 農作物などの植物に転生させて農作物の生命力を底上げするのには丁度いいが… 再び人間として生まれさせるほどには有用とは言えない魂…。 ただ「大勢が」そういうレベルの反応をするものの そうではない者達も勿論少なからずいる。 日本人の精神性・魂の質は格差が大きい。 それこそ植物レベルと【管理者】レベルほどの格差があって 中間部分の多くが抜けている。 日本人の多くが植物的。 少数が野生動物的。 更にごく少数が【管理者】目線で物事を見ている。 …多くの者達が罪人の自覚なき罪人達が犯した罪を踏襲するが 罪人達の歩んだ道を忌避し別の道を選ぶ者達が出てくる。 だからこそ 「罪悪感も持たずに他人を食い物にしていた連中の悪行」が 「環境の産物として起こる許容範囲行為ではない」 と裁定を下せる。 悪を悪だと断定できる。 罪人達を罪人達として 贖罪を強いる地獄へ送り出せる。 こうした【調停者】の仕事に関して 【世界】に埋没している【参入者】達ーー人間ーーは 全く気付かない。 人間が人間であり続けるにはーー 【参入者】が人間に宿り続けるにはーー 「魂の質の並列化」作用による「入れ替わり」を 「起こし続ける」必要があるのである。 「加害者が被害者になり、被害者が加害者になる」 というポジションの入れ替わり。 故意にではなく結果的に他人を傷付けた無知な加害者達は 故意にではなく他人から傷付けられる経験を引き寄せ、それを受け入れる。 「因果応報を受け入れる」 それが人間として生きた者が再び人間として産まれて来る鍵。 人類の集合意識から逸脱せずにいられる吸引力。 ーーそしてそこには互換性が必要になる。 つまりは人同士の間で因縁が生じる背景には 「羨ましい」 「相手の立場を体験してみたい」 「理解したい」 「理解して欲しい」 という感情が【相互的に】存在しなければならない。 相互的な羨望と 相互的な謎と 相互的な理解希求が 「入れ替わり」 に必要となる。 なので羨望や謎が存在しなかったり それらが一方的だったり 或いは因縁付ける原因自体が 嫌悪・侮蔑・搾取欲によるものだったりすると 入れ替わりが起きない。 入れ替わりによる魂の質の並列化も起きない。 嫌悪・侮蔑・搾取欲で他人に因縁付けて苦しめた罪人達は 入れ替わりを引き起こす互換性が相手との間にないのだから 「再び人間として【世界】に参入する絆を根こそぎ無くす」 事になってしまう。 【参入者】を構成している魂核も魂の粒子も 【参入者】が人間である間はそれを認識できない。 人間は当然ながら次の転生先を自分では選べない。 ーー食肉用動物などは人間による搾取率が高い…。 なのでNPCを食肉用動物に宿らせておくと普通に食肉用動物は絶滅してしまう…。 ゆえに「許されざる罪人達の魂」を食肉用動物に宿らせ、生命力を底上げする。 こうした業深くしぶとい罪人達の魂の有効利用によって 食肉用動物を絶滅させずに存続させる事ができている。 食肉用動物は罪人達の魂を厄介払いする絶好の収監所なのである。 【調停者】はそれを「ペナルティー転生」と呼んでいる。 ただそうした 「ペナルティー転生させる(煉獄に堕とす)魂」 は必要数は必要だが。 必要数以上は需要がない。 そのため煉獄へ堕とす必要数を超える膨大な数の罪人達の魂は 「使い道がない」と言える。 何らかの形で贖わせるなり消滅させるなりするべきなのだが… それができていない。 贖罪も消滅もしない罪人達の魂は 「不毛なデータを抱えた意識体(情報体)」 であり 「ウィルス」 のようなモノとして社会の足を引っ張り続ける。 そういった迷惑なモノが成仏も消滅も出来ずに世に溢れ 「自分が行った悪行を正当化する」 べく 「生者の意識を悪の側へ共感させる」 干渉をあの手この手で行い続ける事になる。 同調の強制執行 共鳴の強制執行 それが【世界】全体の劣化 【参入者】達の魂の質の低下にも繋がる。 「『日本人が死後に異世界チート転生をする』フィクションが量産されている」 という現象もまた罪深い悪霊による干渉の影響が大きい。 「神様の失敗のせいで死んで異世界チート転生・転移させられる事になった!」 「魔王討伐の戦闘員として強制召喚された!」 という設定による 「望まぬ強制連行をされた」 という被害者ポジション。 ーーでありながらチート。 無自覚の侵略者として異世界へ参入。 そんな設定は 「被差別者を詐称して悪事を正当化し続けた侵略者達の自己美化的観点」 に似ている。 「異世界の人達を文化的に未発達な未熟な人種扱いして内心で軽視。転移者同士・転生者同士で馴れ合って地球文明で在住世界を淘汰。成り上がり」 という流れのチート無双の主人公。 そんな特殊侵略行動をとる主人公に 「共感すること」 こそが (婉曲的にであれ) 「侵略者側の御都合主義自己美化観点への共感」 に繋がる。 つまりは 「異世界チート転生(転移)フィクション」 の氾濫は 「被害者気取りの加害者」 「犠牲者気取りの略奪者」 「被差別者気取りの侵略者」 などのポジションを読者にも疑似体験させて 「悪の自覚なき悪に共感させる」 ための 「悪魔の誘惑となっている場合もある」 という事だ。 【調停者】が何の誘導も干渉もせずに当人の中にあるものを引き出すのとは真逆である。 異世界チーレム物語は 「主人公への共感を引き起こして価値観の刷り込みを行う価値観操作コンテンツ」 となっている作品も多い。 ーーかつて白人達はネイティブの存在する大陸を「新大陸」と呼び 「入植者・開拓者」気取りで侵略を進めた。 侵略兵である自覚なき侵略兵を大量投入。 先住民を同じ人間とは認めずに 「人間に似た猿は居るが人間は存在せず文化も文明も存在しない未開拓の新しい土地だ」 という観点で侵略を進めた。 「異世界チート転生(転移)」物語の根源には 「侵略兵の自覚なき侵略兵」のような呪われし人類の業がある。 ただーー そうした侵略行為は「社会的複雑性の並列化」によって 必然的に起こる現象でもある。 【複雑さは素朴さを圧倒し淘汰してしまう】 「社会的複雑性の並列化」 「人智的複雑性の並列化」 ソフトウェア面における格差を埋め温度差を埋める。 そんな同化・均等化作用による必然。 その反映としてーー 複雑な者達が素朴な者達の認識に影響を与えてしまう。 搾取してしまう。 なので必然的に起こる侵略行為(進取行為)を融和的に進めるには 「侵略を正当化するのは共存共栄の意志であり、侵略を贖うのは共存共栄の実践のみである」 という普遍的ルールが必要となる。 いつか搾取者側の複雑な強欲さを超えて 素朴だった被搾取者側が私欲なき複雑さを身につける。 それによって 「いつか引き際が訪れる」。 いつか必ず訪れる引き際…。 その潮目の逆流が決定的になるまで延々と続く 無自覚の加害者達の業深い罪ーー。 その罪の重さを図るために 【調停者】は無自覚の被害者達へと夢を降りかける…。 無自覚の加害者達に降りかかっていた 「御都合主義設定による無自覚犯罪教唆環境」 が無自覚の被害者達の夢へと降りかかるように…。 抑圧され過ぎて外部放射できなかった内在する欲と良心。 それらを表出させ、それらを争わせるかのようにーー。
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