5.飛び込む覚悟

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とりあえずこんなものかな、と美南はエプロンを外した。 ハンバーグにお味噌汁、サラダと金平ごぼう。 いわゆる家庭料理だけど、作り慣れているメニューを作ったから味に問題はないはず。ご飯もさっき炊けたし。 時計を見遣るともうすぐ20時。 ちょうど先ほど、会社を出ると連絡があったので、間もなく着くだろう。 というか、職場を出るのが思ったより早い気がする。急かしてしまったのだろうか。 定時を迎えたあとの美南のバタバタ振りも相当だったけれど、もともと物が少ないせいで、干していった洗濯物を仕舞うくらいで、部屋の片付けは大して時間がかからなかったのが救いだった。 それにしても、陽樹と接点が生まれたのは、ほんの数日間の出来事なのに、毎日がめまぐるしい。 朝起きて仕事に行って、それだけで十分忙しかったのに、その合間に陽樹のことを考えると一日が一瞬で過ぎていってしまう。
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