8.決戦の土曜日

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待ちに待ったはずの土曜日がやってきた。 今朝は、仕事はないのに平日と同じ時間に目が覚めてしまい、美南はため息を吐きながら起き出した。 二度寝したいところだけれど、緊張して眠れない気がする。 陽樹を家に招いてから、もう10日程経っていた。 あれから忙しくなってしまったらしく、会社ですれ違ったりこっそり会話することはあったけれど、デートはしていなかった。 それでも毎日メールはしているし、夜は電話をくれることもある。 ただこちらが寝る準備を万端にした時間に、これから帰るところ、なんて言われてしまうとその仕事量に不安になった。 今日も土曜日だけど、休日出勤らしい。 それでも絶対に終わらせるから、家においで、と言われていて。 ーーー夕方迎えに来てくれるって言ってたけど、何時くらいかな…。 昨日のメールには、なるべく早くということと、目処が立ったら連絡する、とあった。 仕事をしているのにあんまりしつこく聞くのもよくないだろうと思い、とにかくお泊まりの荷物をまとめておくことにする。
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