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「こんなに広いクローゼット、必要ないですって」
「でも元々空いてるんだよね。俺の服は全部書斎に収まってるし」
「私の家の服全部入れても多分まだ余りますよ」
「じゃあ全部持ってきたら?」
「えっと……?」
じっと見上げてくる瞳に堪らず、素早く唇を重ねた。
「ちょっと、三浦さん!」
身を捩った美南が頬を膨らませて睨んできたけど、それも可愛く映るだけなので、そっと自分の胸に引き寄せた。
「やだ?」
「やだって言うか……」
「ていうか?」
「その、展開が早くて付いていけていないというか……」
「うーん、そっか」
こちらはずっと美南を見ていたからむしろスローペースなぐらいなんだけれど、本人にとってはそうではないらしい。
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