395人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
「美南も寝てた?」
「はい。多分同じくらいです」
「……なんだ」
ほっと陽樹の身体の力が抜ける。
「すごい焦った……」
「それよりこんなに眠くなっちゃう働き方の方が心配です」
「それは……ちょっと頑張ったから。今日のために」
「え?」
「普段は寝落ちたりしないよ」
「女の子といて?」
「ちがう!昼寝しないってこと」
「ふふっ。そうですよね」
くすくすと笑う美南の額を、陽樹は軽く小突いた。
どうにも美南の余裕があって、自分ばかりが振り回されたり慌てたりしている気がする。
「美南は?」
「え?」
「大丈夫?寝ちゃうくらい辛かった?」
「あ、いえ。昨日緊張してあんまり寝れなくて」
「なんで?」
「なんでって…!…それは……」
ずるいです、と言って顔を逸らそうとする美南の頭を撫でる。
最初のコメントを投稿しよう!