10.一緒にいるだけで

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「美南も寝てた?」 「はい。多分同じくらいです」 「……なんだ」 ほっと陽樹の身体の力が抜ける。 「すごい焦った……」 「それよりこんなに眠くなっちゃう働き方の方が心配です」 「それは……ちょっと頑張ったから。今日のために」 「え?」 「普段は寝落ちたりしないよ」 「女の子といて?」 「ちがう!昼寝しないってこと」 「ふふっ。そうですよね」 くすくすと笑う美南の額を、陽樹は軽く小突いた。 どうにも美南の余裕があって、自分ばかりが振り回されたり慌てたりしている気がする。 「美南は?」 「え?」 「大丈夫?寝ちゃうくらい辛かった?」 「あ、いえ。昨日緊張してあんまり寝れなくて」 「なんで?」 「なんでって…!…それは……」 ずるいです、と言って顔を逸らそうとする美南の頭を撫でる。
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