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別によろしいですが?
「アルマ!き、君との婚約は、破棄するぅ!」と眉を極限まで下げ、額に汗を浮かばせ、足を振るわせる目の前の人物。
それはーーー
婚約者のアイザックルス王子だ
「…別によろしいですが?」
「え…?あ、あぁ…うん。はい…」となんとも気弱そうな返事だ
「ですが…」と言い淀み、即座に太ももにつけられているレッグホルスターから小型武器を取り出し、動きやすいよう、ベルラインのドレスのスカートを切り離す
そして、王子の右耳から3cmほどに武器を突き立てた
「ひっ…!?」
「この世界で、唯一生きる屍と戦える術を持つ私を離して良いのかしら…?」
王子の背後に忍び寄っていたゾンビの頭を突き刺した
美しいと称される笑みを浮かべると、王子は顔色を悪くし、必死に頷いた
生きる屍が徘徊するようになったこの世界。
魔術も廃れたこの世代では倒せないとされていた中、唯一戦える術を持っていたのが、アルマ・ビージー
生きる屍に突き刺したレイピアから血を取るため振り回した
「なぜあのようなことをおっしゃったのです?」腰に手を当て王子を見据える
「それは…」王子が言い淀んでいるうちにも、生きる屍が襲ってくる
それをドンドン斬り倒していく
生きる屍は脳天を貫通させるか、心臓を傷つけると倒せると判明しているので、慣れた動作で倒していく
(そろそろ結界が貼られるかしら。)
生きる屍が徘徊するような世の中、種族を乗り越え協力していくようになった。
魔法の扱いに長けている魔族と協力し、対生きる屍結界も作られた
王城に侵入してきていることから、数が多いこと。もうすぐ結界が貼られることがわかった
「君が、ゾンビと戦っている最中噛まれてしまったら…君とお別れしなくてはいけない…それが嫌なんだ…!」と悲しそうに眉を下げ、鳶色の瞳には涙が浮かんでいる
「はぁ…」
王子が言っているのは、王族の婚約者としてゾンビとの戦いに繰り出されることを言っているのだろう。
「私はそのようなヘマは致しません。」
王子に近づき、壁際へ追い込む
「この力はアイザックルスを守るための力なのよ。辞めるわけないわ」耳元で小さく囁くと、王子は赤面し倒れ込んでしまった
「尊い…」と声を上げて。
「仕方ないわね…」王子を姫抱きして、広間から出て行ったのだった
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