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プロローグ
質問を間違えたのか、質問の方法を間違えたのか。いずれにしても、岩崎崇弥が鮎川寛二の地雷を踏んだのは間違いないようだった。
両腕と足を黒い革のベルトで固定され、口枷を嵌められる。取り外そうともがいたが、ギチギチと皮膚に食い込むばかりでびくともしない。
「ん、んぅ! う!」
「静かにしろよ。隣に聞こえるだろ」
腰を掴まれ、身体を捩って逃げようとするが、鮎川の力の方が強いらしい。鮎川は岩崎のズボンを掴むと、下着ごとずるりと剥がしてしまう。足は拘束されているので、膝のあたりで引っ掛かったままの服に、余計に身動きが出来なくなった。
(ちょっ、なに、してっ……!)
下半身を剥き出しにされ、さすがに羞恥心がこみ上げる。先ほど撫でられ指摘された通り、岩崎の性器は僅かに勃起していた。状況に余計に興奮するのを、冷静になれと念じるようにして落ち着かせようとする。
「あんまり暴れると、怪我するよ」
耳元に囁かれ、ぞくんと皮膚が震える。冷たさの中に、いつもの鮎川の穏やかな雰囲気を感じて、岩崎は視線を鮎川に向けた。普段の陰鬱な雰囲気を感じさせない、酷く不遜な態度で唇の端に笑みを浮かべる。ぞくりと、背筋が粟立った。
岩崎は、突然、濡れた感触を尻に感じて、驚いて目を見開いた。ぬるりとした粘液が双丘を滑って割れ目の方へと落ちていく。
「この部屋、道具だけはあるから」
「―――」
鮎川が何をするつもりなのか理解し、驚いて首を振る。
「――」
何をされるのか、解っているのに。
何故なのか、心臓がゾクリと震え出した。
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