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ダークウェブ
「おい克実大丈夫か?」
「あ? 何が?」
半グレにもなりきれない地元の若者が溜まる廃ビルの一室で、宮川克実は埃くさいクイーンベッドに横になり非合法な香りの煙を吐いていた。
「何がって。お前の殺人依頼が出てるぞ」
「なんだそりゃ」
「ほら」
スマホを突き付けられた克実は、面倒くさそうに黒い画面に並んだ白い文字を追った。
『宮川克実を殺してください。報酬は500万。詳細についてはご連絡ください。』
「マジかよ……なんで!」
「俺が知るかよ。どうすんだよ」
克実は床に落ちていたペットボトルを手に取ると、這うように立ち上がり一気に飲み干した。
「ふざけやがって! その依頼、受けてくれ。正体を突き止めてやる!」
克実はペットボトルを握りつぶすと、ブラウン管の割れたテレビの中に投げ込んだ。
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