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名前 メルシャーナ・ヴィルシーナ
年齢 24歳
性別 女 (声役 女)
身長154cm
詳細 テーブル・ナイトでモードレッドの名を関する守護騎士。この作品の主人公であり、活発で男勝りで粗暴な口調で喋る。兄のことを尊敬している。
名前 ネロ・ヴィルシーナ
年齢 28
性別 男 (声役 男)
身長 178cm
詳細 テーブル・ナイトの長。アーサーの名を関する守護騎士。先代アーサーの弟子であり、10年前のロンドン大火災の当事者。威厳溢れる威風堂々とした男。
名前 ロイン・フェルミー・ロロ
性別 女 (声役 女)
年齢 23
身長 153cm
詳細 テーブル・ナイト ガヴェインの名を冠する守護騎士。ネロのことを尊敬しており、ネロ様と様付けで呼ぶ。メルシャーナと仲が良く、本人は否定しているが何かと彼女に振り回されている。
名前 オルバルト・ライオネル
性別 男(声役 男)
年齢 26
身長 180
身長 テーブル・ナイト ライオネルの名を冠する守護騎士。苗字が名を表すように、初代テーブル・ナイト ライオネルの直径の子孫。非常におおらかだが、ミーハーな所がある。ネロの一人称「我」を真似して「吾輩」と呼んでいる。
名前 ルシウス・テステス・ヴァーミリオン
性別 男 (声役 男)
年齢 28
身長 184cm
詳細 ロンドン1のテーラーと呼ばれる「G-CROWN」の店主。物腰柔らかく、フレンドリーで人あたりの良い好青年。ネロとは互いに他人では無い感覚がしている。
その他配役
ルシファー ルシウス役
邪教徒 ロイン役
チンピラ1 ネロ役
チンピラ2 オルバルト役
N(ナレーション)
N(ロンドン サヴィル・ロウに 、巷 で噂のテーラーがあると言う。最高品質の素材に、最高の職人の技術。王室の服も仕立てているそんな有名テーラーの名は 「G-CROWN」そして何より噂になっているのが、その店主。ロンドン1のイケメンとの噂だ。)
ルシウス(昨日は色々大変だったな。急に変な感じがして……アレは、なんの記憶だったんだろうか……)
ネロ「すまぬが、やっているか。」
ルシウス「いらっしゃいませ!やってますよ!」
ネロ「ロンドン中で噂になっている人気のテーラーと聞いてな、依頼をしたいのだが良いか?」
ルシウス「構いませんよ。お名前を伺っても?」
ネロ「ネロ・ヴィルシーナだ。」
ルシウス「私は当店の店主。ルシウス・テスタス・ヴァーミリオン……よろしくお願いしますネロさん。」
N(二人は握手する。その時、互いに感じたのは違和感。)
ルシウス「……アレ?なんだが、貴方とは初めてな感じがしないな。」
ネロ「奇遇だな。どこかであったか?」
ルシウス「いや……貴方のような方は初めてだ。威風堂々としたその立ち居振る舞い。……これは、相当気合いを入れないとな。」
ネロ「流石だ。その若さで、よくここまで立派なテーラーを作り上げた。お互い敬語は無しにしよう。我の事はネロとでも呼んでくれ。」
ルシウス「よろしくネロ。僕の事もルシウスと気軽に呼んでくれ。さっそくだけど、サイズを測っても良いかい?」
ネロ「すまんな、頼む。」
ルシウス「仕事だからね。ネロはどこかの貴族か何かかい?」
ネロ「海外の方にいてな。仕事で、ロンドンに来た。元々地元なんだが、10年前の大火災で他所に引っ越した。」
ルシウス「それは残念だったね。僕も、10年前のあの日に大切な人を失った。このテーラーは、本当はその大切な人と一緒に開こうって話をしてたんだ。」
ネロ「その人も報われるだろう。こんな立派なテーラーを作ったんだ。天国で褒めてくれてると思うぞ。」
ルシウス「そうだったら良いな。君も大変だったろう?海外に引っ越してからは特に。」
ネロ「そうだな。妹がいるんだが、ソイツには何時も頭を抱えさせられる。聡明で優しい子なんだが、少し粗暴でな。頭もいいし、所作も完璧……どこに嫁に出しても恥ずかしく無い。だけど、「俺より弱い奴の女になる気はねぇ!」等と申す、勝ち気で男勝りな妹だ。」
ルシウス「ハハッ!元気な妹さんだね。今度一緒に連れて来てくれよ。サービスするよ?」
ネロ「構わんぞ。面白い奴だ。」
ルシウス「これでサイズは分かった。後はデザインだけど、どう言ったのが良いかな?」
ネロ「……ふむ……ルシウス、お前に任せる。ロンドン1の仕立て屋と言われるお前の腕、見せてくれないか?」
ルシウス「任せてくれ。君にピッタリの服を作ろう。だけど、お代は高くつくよ?」
ネロ「構わんさ。俺は仕事があるから、今日はこれで。……仕事を終えたら今度、酒でも飲まないか?昔からの行きつけのパブがあるんだ。」
ルシウス「気になるね。いいよ、楽しみにしてる。」
N(これが、ルシウスとネロの友情の始まりであり……2人の因縁が、繋がった瞬間だ。)
メルシャーナ「クソ!何時までじっとしてたら良いんだよ!傷は治ってるんだろ!?」
ロイン「君はネロ様から絶対安静の命令が出てる。私はその監視役さね。」
メルシャーナ「暇なんだよ!剣を振らせろ!あ〜クソ!」
オルバルト「落ち着けメルシャーナ。」
N(アジトに現れたのは巨大なライオン。そんなライオンの鬣から姿を現すのはテーブル・ナイト ライオネルの名を関するオルバルト。)
ロイン「オルバルト。待ちたまえ。君、もしかしてネズミとか連れてきて無いよね?」
オルバルト「後ろにいるぞ?」
ロイン「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」
オルバルト「落ち着け。吾輩の聖具で呼び寄せただけだ。ほれ、ネズミよ。帰るが良い。」
ロイン「はぁ……まったく心臓に悪い。」
オルバルト「ハッハッハっ!すまんな!所でメルシャーナ、傷の具合は?」
メルシャーナ「治ってるよ。後は身体が鈍らないか心配なだけだ。」
ロイン「サボれて僕は良いなと思うけどね。それより、他の皆は?」
メルシャーナ「ジョンは他のエクソシストと情報共有に向かった。兄上は単独でこの前の現場の調査と、一個気になる所があるって言ってたな。」
オルバルト「それは残念だ。耳寄りの情報を持ってきたのだがな。」
ロイン「耳寄りの情報?」
オルバルト「吾輩の聖具は動物達と会話をすることができる。地下水路にいたネズミから聞いた話では、夜になると怪しい人間が地下水路に集まって居るという。」
ロイン「……それって……」
オルバルト「まだ悪魔かどうかは確定していない。わざわざ地下水路に集まるもの達だ。悪魔崇拝の信者かもしれん。」
メルシャーナ「充分な手掛かりだぜ。邪教徒共とっ捕まえて口割らせてやれば良いんだよ!」
オルバルト「まぁ待てメルシャーナ。もう1つある。あの日、貴様がポーカーデビルと戦闘した日の夜だ。あの時、貴様は悪魔共がとある本を開いた後に魔法陣が浮かんだと言っていたな?」
メルシャーナ「あぁ。」
オルバルト「その夜に、北東の海でポーカーデビルのキングを確認した。」
ロイン「ッ!?その話は本当なのか!?」
メルシャーナ「冗談言ってるんじゃねぇぞ!」
オルバルト「吾輩が嘘をついてどうする!この話は既にネロや他のテーブル・ナイト達に文を書いて使いを出した。」
メルシャーナ「じっとしてらんねぇ!俺も行くぞ!」
ロイン「ちょっと待て!君はまだ安静にしないと!」
メルシャーナ「うっせぇ!俺はうちの王様の妹だ。こう言う時にこそお兄ちゃんラブを使うんだよ!」
ロイン「ちょっと!オルも止めてくれ!この子ッ!……くっ……力だけは……強いッ!」
オルバルト「無理だ。レオも怖がっている。昔メルシャーナを敵と勘違いしたレオが彼女を襲ったら返り討ちにあっていらいメルシャーナに怖がっている。テーブル・ナイトの中で1番の怪力は彼女だ。彼女を止めたければ、ジョンかネロを連れてくるんだな。」
メルシャーナ「おいオルバルト……手伝え……」
オルバルト「ひえッ……じ、尽力しよう。」
ロイン「あ〜もう!あとでネロに言いつけてやる!」
N(ロンドン地下水路にて。)
ロイン「臭いし暗いしジメジメする……」
オルバルト「レオ!ネズミは食べたらダメだぞ?」
メルシャーナ「キングの手掛かりがあるんだ。ぐだぐだ文句言ってんじゃねぇ。オルバルト、頼んだ。」
オルバルト「了解した。……真なる獣、真なる蟲よ……新羅万事、あらやる全ての言語で語り尽くさん 獣達の戯れ!」
N(オルバルトが詠唱を唱えると、彼の連れているライオンが雄叫びをあげる。その刹那、オルバルトには地下水路にいるネズミ達と対話する。チーズあげるから怪しい人いたら教えてっと言ったのだ。)
オルバルト「こっちだ。5人いる。悪魔では無い……恐らく、悪魔崇拝の邪教徒達だろう。」
メルシャーナ「急ぐぞ!」
ロイン「ちょ、待ってよ!」
N(オルバルトが先導しメルシャーナとロインはそれについて行く。しばらく走っていると人影が見えた。)
オルバルト「レオ!やれッ!」
N(鋭い爪で人影を切り裂こうとするが、相手はそれを後ろに下がり回避する。)
ネロ「何者だ!?」
オルバルト「ネロか!?」
ネロ「貴様かオルバルト。文を見たぞ。やはり貴様は頼りになるな。」
オルバルト「吾輩の能力はあまり戦闘向きでは無いからな。」
ネロ「それより、ロイン。どうして貴様がここにいる?」
ロイン「ギグ!?……え、えーと……」
メルシャーナ「……スゥ……あ、兄上……」
ネロ「愚妹が……今すぐコイツを連れてアジトに戻れ!」
ロイン「言わんこっちゃない……」
メルシャーナ「……お兄ちゃん!」
ネロ「ッ!?お、おにッ!お兄ちゃん!?」
メルシャーナ「お願い……メルも、一緒が良い……」
ネロ「ぐっ……い、今は人手が足らん!無理はするな!使えないと思ったら気絶させて追い返すからな!この役立たず!」
メルシャーナ「おう!」
ロイン(ネロ様すんごい狼狽えてた……)
メルシャーナ(兄上普段口悪いし俺に当たり強いけど、なんかお願い事する時お兄ちゃんって言えばほとんど許してくれる。)
ロイン(君のそういう所嫌いではないよ。)
オルバルト「ネロ、何か成果は?」
ネロ「邪教徒を3人捕縛した。我とロインで散策する。尋問は貴様らに任せた。」
ロイン「了解です!」
オルバルト「気をつけろネロ。」
メルシャーナ「怪我すんなよ兄上!」
ネロ「貴様だけには言われたくないわ。」
メルシャーナ「……さて、病み上がりだからよォ!」
N(メルシャーナは地下水路の壁を拳で殴ると、壁を粉々に砕いた。)
メルシャーナ「力の加減が難しいんだわ。俺の拳がお前らの顔に当たる前に情報を吐け。」
邪教徒「ひ、ヒィィィィィ!!!(早口)い、言います!!!言いますからぁ!わ、私達は下っ端なんで知ってる情報は少ないですけど知ってる事は言います!」
メルシャーナ「キングの居場所は?」
邪教徒「わ、分かりません!」
メルシャーナ「うし、殴るか。」
邪教徒「ま、まって!待ってぇ!……か、幹部の皆さんが……さ、最近出入りしてるテイラーがあります……も、もしかしたらそこで何かしら情報が……」
メルシャーナ「テイラー?どうして邪教徒がそんな所に用があんだよ。」
邪教徒「わ、分かりません!ちょ!本当に分からないんです!殴らないでェ!本当に分からないから!い、いやぁぁぁぁぁ!!!」
メルシャーナ「テイラーか。」
オルバルト「……吾輩、やっぱ貴様怖い。」
メルシャーナ「え?なんで?」
オルバルト「怖ァ〜……自覚無しとかサイコパスかよ……と、とりあえずネロにこの事を伝えよう。」
メルシャーナ「ネズミを使わせるか?」
オルバルト「いや、直接伝えよう。ここは敵の根城だ。何があるかわからん。」
N(ロインとネロが探索していると、とある1つの空間に辿り着いた。薄暗い部屋で視界が悪い。ランプで灯りをあてると、地下水路の壁には大きな魔法陣。)
ロイン「こ、これは……」
ネロ「ヘルヘイム・ゲートの魔法陣だ。10年前、キングがロンドンを業火の海に燃やした地獄の門だ。それの召喚魔法陣。」
ロイン「どうしてこんな代物が……」
N(魔法陣が光り、そこから黒い怪物が蠢いた。這い出でるように現れたそれは、ネロ達に襲いかかる。)
ネロ「魔人か。ただ破壊するだけの混沌の勢力が……跪け。」
N(ネロは瞬く間に魔人を切り伏せる。だが、斬られると魔人は増殖し、更に数を増やして襲いかかる。)
ネロ「面倒だな。」
ロイン「ネロ様は、ここは私に任せて下さい。」
ネロ「やれ。」
ロイン「聖杯の輝きよ 光れ 祈れ これは最初で最後の祈り 始まりであり終わり 見晒せッ! 聖杯の雫!」
N(ロインの手の上に聖杯が出現する。聖杯からは水が溢れ、一滴……ぽとりと水が滴った。滴った水は広がり足元を濡らして、魔人達を浄化し跡形もなく殲滅する。)
ロイン「 こう言うのは一番私が相性良いですからね。」
ネロ「ありがとう。手間が省けた。それより、これをどうするか……これは製作者の魔力により働いている。製作者を倒さぬ限り壊すことも、消すこともできない。」
オルバルト「ネロ!情報が手に入った。」
メルシャーナ「うぉ!?なんだこれめっちゃ濡れてるじゃねぇか!」
ネロ「騒ぐな!……情報とはなんだ?」
オルバルト「何やら幹部が、最近よく通うテーラーがあるらしい。」
ネロ「テーラーか……分かった。1度戻る。」
オルバルト「この情報は、メルが引き出したものだ。」
ネロ「そうなのか?」
メルシャーナ「おう。」
ネロ「………………よくやったな。」
N(ネロは騒ぎ、軽くメルシャーナの頭を撫でた。)
メルシャーナ「ぇ゛……」
ロイン「言葉が出ない感じだね。」
オルバルト「吾輩、この兄妹見てるの面白い。」
メルシャーナ「うるせぇ!」
ロイン「はいはい。じゃあ戻るよ〜!」
メルシャーナ(あ、兄上が頭撫でた!?マジかよ!?……やっべぇ……めっちゃニヤニヤする……)
N(アジトにて。)
ネロ「ご苦労だな。日が沈み出した頃だ。一般の出入りが少ない今、1時間後に調査に向かう。我は少し寝る。10分前に起こせ。」
オルバルト「ロンドンについてから寝てないからな。それより、あの邪教徒はどうした?」
メルシャーナ「こっちのエクソシストに引き渡した。今頃拷問かけれてんじゃねぇか?……それより、お前ら耳を貸せ。」
ロイン「ちょ!なんだよ!」
メルシャーナ「兄上は寝付きが良いから今頃もうぐっすり夢の中だ。」
ネロ「むにゃむにゃ……あ、師匠……太ももの露出が……むにゃむにゃ……」
メルシャーナ「こっからテーラーまではすぐ近くだ。先に先導隊として調査に行こうぜ?俺らで手柄あげて兄上から褒美貰おうじゃねぇか!」
ロイン「ちょ!ダメだよ!また怒られるよ!?」
メルシャーナ「大丈夫だって!俺の必殺お兄ちゃんごめん作戦で何とかなる!」
オルバルト「今日のを見るに、お兄ちゃん作戦は有効だ。そうこうしてるうちにも向こうは着々と手を進めてる。吾輩はメルシャーナの意見に賛成だ。」
メルシャーナ「うし!決まりだな!」
ロイン「ちょ!待ってよ!……あ〜もう!分かった!分かったよ!」
N(ロンドン・サヴィル・ロウの裏路地にて。)
ルシウス「ぐわぁぁぁ!?……なんなんだ!この記憶は!コレは僕じゃない!僕は人殺しじゃない!僕は仕立て屋だ!出てけ!僕の中から出てけ!」
N(路地裏にて、身体を抑え悶え叫ぶ。頭が割れるように痛い。これはなんだと自問自答を繰り返す。そして、水たまりに映る自分の姿を見て、彼は驚きを隠せない。)
チンピラ1「おいそこに兄ちゃん大丈夫か?」
チンピラ2「こんな時間に危ないよ〜?悪い人に襲われないように俺たちが守ってあげようか?とりあえず金だしな。護衛代って奴だぜ!ケヒャヒャ!」
ルシウス「離せッ!」
チンピラ1「あ?んだてめぇ!せっかく人が善意で手伝ってやってんのによォ?オラッ!」
チンピラ2「ぶっ殺してやるよ!」
N(一方的に殴られ、蹴られ……ボコボコにされる。チンピラ2人は殴り終えてスッキリしたのだろう。)
チンピラ2「今日はこのくらいで勘弁してやるよ。」
チンピラ1「結構持ってるじゃねぇかよ。この金で飲みに行くか!」
ルシウス(惨めだ……どうして僕はこんなに惨めなんだ?……こんな姿が僕なのか?)
ルシファー(違うだろ。)
ルシウス(……違う……)
ルシファー(そうだ。お前じゃない。)
ルシウス(僕じゃない。)
ルシファー(忘れるな。お前の使命を。皆がお前を待っている。)
ルシウス(……僕は、何か……やることがあったはずだ……)
ルシファー(思い出せ。怒り、憎しみ、悲しみを。)
ルシウス(あぁ……そうか……そうだったのか。)
ルシファー(10年前……)
ルシウス(あの子を殺したのは……)
ルシファー(俺だ。)
ルシウス(そうだ。そうだった……)
ルシファー(この悔しさを忘れるな。その無念を忘れるな。)
チンピラ1「へへッ!これで女引っ掛けて」
ルシファー「待て人間。」
チンピラ1「あ?まだ意識があ」
N(チンピラが振り向いた瞬間、頭を捕まれ、壁に叩きつけ頭を潰される。)
チンピラ2「ひ、ひぃぃぃ!!た、助けてくれぇぇぇ!!!!」
オルバルト「なんだ今の声は?」
メルシャーナ「やっぱりビンゴだ!」
ロイン「もしかしたらキングかもしれない。……メル!」
メルシャーナ「準備は万端だ。何時でも行けるぜ。」
オルバルト「早く向かうぞ!」
N(現場に書き付けた時、メルシャーナ達は目にした。人間の首を持って、六対十二枚の羽を広げた男。その男が放つ威圧感で、彼がポーカー・デビルのキングと言うのは本能で分かった。)
ルシファー「エクソシストか?」
オルバルト(こ、これが……ポーカー・デビルの最上位。キングの圧……)
ロイン「ッ!メル!」
メルシャーナ「あぁ。……神よ 我に力を 信仰の祈り 信ずる心に偽りは無し 人が魅せる輝きを 我が王と信じよう 今この剣は 悪を滅する炎で勝利を捧げる !!! 聖炎輝く殺戮の剣ッ!!!」
N( クラレントから赤い炎が燃え上がり、炎の柱となって天に昇る。それは辺り一体を照らした。そして振り下ろし、聖なる炎はルシファーに向かって放たれる。)
ルシファー(なんだこの光は!?この光の輝き……アーサーか!?クソ!復活早々あんな化け物を相手にしないといけないのか!?ふさげるなッ!)
ルシファー「 ヘルヘイム・ゲート ッ!!!」
N(ルシファーは唱えた。地下水路に貼られた魔法陣は光輝きルシファーの目の前には大きな地獄の門がたった。その門は、ルシファーを炎から守る要塞となる。だが……)
ルシファー「ぐっ!?馬鹿げた威力をッ!!!」
N(門は徐々に形を変え溶かされていく。)
ルシファー「死にやがれぇぇぇ!!!!」
ルシファー「耐えろッ!!!俺がお前の王として相応しいなら!!!耐えて見せろ!!!!」
N(そして……炎は消え、地獄の門は立派に王を守りきった。)
メルシャーナ「クソ!」
ロイン「畳み掛ける!!!」
メルシャーナ「ライオネル!お前は兄上を呼べ!コイツは俺達が引きつける!」
オルバルト「分かった!レオ!走れ!」
N(オルバルトはネロを呼びに走っていく。焼けたその場に残るのは、二人のテーブル・ナイトと一人の悪魔。)
メルシャーナ「ようやく会えたな!キング!」
ルシファー「……貴様が、当代のアーサーか?」
メルシャーナ「知る必要もねぇだろ!死ね!」
ロイン「激しく同意だ!」
N(二人はルシファーに襲いかかる。熟練のコンビネーションと阿吽の呼吸で攻め、ルシファーは防戦一方だ。)
ルシファー(復活したばかりで、まだ身体の制御がきかない!……だが!)
メルシャーナ「うお!?」
ルシファー「舐めるな!……絶望を見せてやる!神代の死を贈る弓矢!」
N(ルシファーは飛んで宙に浮遊する。右手を天に掲げると、空に赤い魔法陣が浮かぶ。そして、その魔法陣の中から辺り一体を覆う赤い弓矢が二人に向かって降り注ぐ。)
ロイン「でたらめ過ぎだろコレはッ!」
メルシャーナ「ギャラハッド!」
ロイン「分かってる!」
N(メルシャーナはロインの方に寄る。ロインは聖杯を出すと、2人を覆うように結界が貼られる。結界は矢を防ぐが、その威力からして長くは持たない。)
ロイン「ッ!?も、持たないッ!!!モードレッド!」
メルシャーナ「下がれッ!!!」
N(結界は崩壊し、二人に矢が注ぐ。モードレッドはロインを抱え、矢を弾き動き回りながら交わしていくが、それでも付け焼き刃。脇腹を射抜かれながらも、飛んで屋根の上を走り回り不規則に飛んで交わしていく。)
メルシャーナ「ぐわっ!?」
ロイン「モードレッド!」
N(矢が屋根を射抜いたことで、足場が崩れ二人は地面に叩きつけられる。ロインは何とか受身を取るが、メルシャーナは直撃だった。)
メルシャーナ「ゴハッ……」
ロイン「大丈夫!?今回復を!」
メルシャーナ「いらねぇ!今がチャンスだ!ドバドバ溢れてきたぜッ!第三段階解放(サース)ッ!」
N(メルシャーナの鎧が赤く燃え辺りを陽炎に包む。傷をおうことで、身体能力をあげる。そして、爆発的な踏み込みでルシファーとの間合いを詰める。)
ルシファー「なっ!?」
メルシャーナ「ユー・ア・シャルウィダンス?」
N(圧倒的身体能力により爆発的な打ち込みと、万力のような腕力での閃光のような打ち込み。この一撃は、ルシファーの胸を袈裟に斬る。)
ルシファー(は、早すぎる!……さ、再生が追いつかない!
メルシャーナ「……テメェが死ねば俺達は丸く収まんだよォ!死ねよカス野郎!それが嫌なら必死に抵抗しろ!テメェは俺に狩られるただの兎なんだよォ!!!」
ルシファー「狂ってる……」
ロイン(メルは狂ってる。彼女の死生観は、まるで戦場の兵士のそれだ。自分が死ぬこともいとわない。故に、どんなにボロボロになろうと戦い続ける。殺せるなら戦う。狂気だけで言えば、テーブル・ナイトの中でも1番だ。)
ルシファー(俺は……コイツに恐怖したのか?この狂気に……悪魔の王たる俺がか!?……ふざけるなッ!否定する!俺は!今の俺を否定する!俺が望む俺であり続けるために!コイツを!)
メルシャーナ「お前をっ!」
ルシファー「殺す!」
メルシャーナ「ぶっ殺してやる!」
N(ルシファーはメルシャーナの攻撃を紙一重で交わす。それは紙一重の回避。そして、隙を作った刹那……)
ルシファー「…地門と天門の創世ッ!」
N(彼の両の手に生み出されたのは、地獄の門を極小化したものと、天国の門を極小化したもの。2つの門をかけあわせ巨大な魔力爆発を生み出した。1+1×100のような計算式で生み出されたその魔術。)
メルシャーナ「クソッタレがァァァァァァァ!!!!!」
N(そんな魔術をメルシャーナに対して放とうする。この魔術の攻撃範囲はメルシャーナだけではなくロイン、そして辺り一帯を吹き飛ばすものだ。)
ロイン(まずいまずいまずい!!!)
N(魔術を放たれるコンマ0.1秒。わずかのその隙間を縫って……現れるは光の王。)
ルシファー「なに!?」
N(ルシファーの右腕を切り落とし、聖剣が地面に突き刺さる。そしてから物凄い勢いで聖剣の上に着地し、ついに……因縁の宿敵と対峙する。)
ネロ「貴様が、ポーカー・デビルのキングか。どこか我の知り合いに似てるな。」
ルシファー「ハハッ……奇遇だな。俺もだ。」
ネロ「そうか。では跪け。この日を覚えて逝け。今日が貴様の命日だ。」
N(ネロは聖剣の上から、どこからともなく槍を出してルシファーに攻撃する。)
ルシファー「ガァ!?」
N(ルシファーはかわそうと身体を半身にするが、槍はルシファーの頬を貫いた。だが、ルシファーはネロに向かって氷の魔術を放つ。)
ルシファー(は、早すぎる!何だこの男……聖具の力か?違う……コイツは、他のテーブル・ナイトとは違う!異質!異質すぎる!)
ネロ「身の程を知れ。貴様が相手にするのは……1000年以上受け継がれた、人の超天だッ!」
N(ネロが槍を引き抜き、再び突こうとする。その槍は回転し、周りの空気を歪め……そして!ズドン!放たれるその一撃は、直線にあるもの全て削り喰った。)
ルシファー(ゴハッ!?……クソ!連戦の後にコイツを相手にはできない!……悔しいがここは一度引くしかない!)
オルバルト「ネロ!下がれッ!」
ルシファー「ここは……一度引く……次会う時は……必ずお前を殺す!」
N( ルシファーは羽を広げ、ネロに向かって羽の刃を無数に飛ばす。)
ネロ「下らん。」
N(だがネロは、羽を全て切り落とした。だが、その頃には既にルシファーはおらず、太陽が光差し朝日が登った。)
オルバルト「すまんな送れて。」
ロイン「い、いいえ。」
ネロ「メルシャーナの容態は?」
ロイン「今回復をかけてます。しばらくはまた眠るでしょうけど、命に別状は無いかと。」
ネロ「そうか。……どうして俺の言うことを聞けんのだお前は。……だが、お前のおかげでまた人類は一歩全身した。説教は、帰ってからだ。」
オルバルト「ロイン、すまんぬ。吾輩は此度の戦いに、何の役にも立てなかった。」
ロイン「そんなことないよ。君は元々前線向きじゃない。君の情報収集能力があったから、僕はここまで来れた。それに何より……ネロ様が居なかったら……僕達は死んでいた……悔しいのは、君だけじゃない。」
N( ルシファーは身体を引きずりながら、地下水路を歩く。そして地下水路を出ると……)
ルシファー「……なんだ……全員揃っていたのか。……こんな無様な姿で悪いな。帰ってきたぞ。お前達の、王が。」
完
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