ゴリラ！ゴリラ！ゴリラ！

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「ええ！？」という自分の叫び声で目が覚めた。窓の外ではちゅんちゅんと可愛らしい鳥の囀りと、雲一つない青空。
　いつもと変わらない爽やかな朝。ただちょっとだけいつもより気分が悪いのは、きっとさっきまで見ていた夢のせいに違いない。奇妙な夢だった気がする。内容は起きたそばからすっかり忘れてしまったけど、そのことだけはなんとなく覚えていた。

　着替えて朝食の卓に着くと、さっきまで父が見ていたのかテレビが付きっぱなしになっている。
「続いてのコーナーは名物『私の道』！　今日はゴリラについて研究する『ゴリラ道』の専門家・吉川先生をお招きしています！」
ゴリラ道なる耳慣れない単語に困惑していると、いつのまにかスタジオではゴリラ道の第一人者・吉川先生によるゴリラ講座が始まっている。

「ゴリラの道も一歩から。ゴリラは１日にしてならず。もし私の話を聞いてゴリラに興味が湧いたなら、今日からゴリラ道の一歩を踏み出しましょう！
　さすれば次にゴリラになるのは、テレビの前のあなたかもしれません」