ゴリラ!ゴリラ!ゴリラ!

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✳︎✳︎✳︎ 「ええ!?」という自分の叫び声で目が覚めた。窓の外ではちゅんちゅんと可愛らしい鳥の囀りと、雲一つない青空。  いつもと変わらない爽やかな朝。ただちょっとだけいつもより気分が悪いのは、きっとさっきまで見ていた夢のせいに違いない。奇妙な夢だった気がする。内容は起きたそばからすっかり忘れてしまったけど、そのことだけはなんとなく覚えていた。  着替えて居間に向かうとすでに私の朝食はテーブルに用意してあって、お母さんはお父さんの分の食器を片付けていた。毎朝のことだけどお父さんは私が起きる頃にはもう会社に向かっている。 「いただきます」  食器を洗うお母さんの後姿に声をかけテーブルに着く。トーストに齧りつきながら付きっぱなしのテレビを観ると、ニュース番組の血液型占いコーナーがやっていた。 「今日最高の運勢なのはB型のあなた! ラッキーアイテムは動物のキーホルダーです!」  やたらハイテンションのアナウンサーはそれだけ言うとさっさと次のコーナーに移ってしまった。どうやらО型の時間はもう終わっていたらしく、分かったのは今日の私が最高の運勢ではないということだけだ。 「続いてのコーナーは名物『私の道』! 毎朝一風変わった、あるいは珍しい分野を一つ取り上げ、その道の第一人者をお招きするこのコーナーですが、今日はなんと! ゴリラについて研究する『ゴリラ道』の専門家・吉川先生をお招きしています!」
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