追いかける人ゲェム

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追いかける人ゲェム

 気が付いたら、森の中に倒れていた。  最後の記憶は、コンビニで下級生をカツアゲしていたところで終わっている。一体その後どうなったのだろう?なんであたしは、よくわかんない大人や学生たちと、こんな森の中で縛られて転がされているのだろう? 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!」  パンパン!唐突に手を叩く音。  その発生源は、あたし達の正面に立っている白装束の男だった。  多分男、なのだろうと思われる。仮面をかぶっているし、ひらひらしたローブみたいな服だし、声もくぐもっているしで確定はできないが。 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!」 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!」 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!」 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!」  男の傍にいた三人の同じ白装束も、まったく同じセリフを言ってあたし達を叩き起こそうとする。はっきり言って煩い。そもそもなんで、あたし達はこんなところにいるのか。なんでお前らみたいな大人の言う通りにしなくちゃいけないのか。  考えるほどイライラしてくる。こうなったらもう、狸寝入りでも決めてやろうか。そう思い始めた時だった。 「みなさあああん!起きてください、起きてくださあああい!……起きないと、死にますよ?」 「!?」  なんだそれ、と飛び起きた人間があたしの他に数名。  ほとんどの者達が目を覚ましたのを見て、最初に口を開いたリーダーっぽい男は嬉しそうに笑い声を上げたのだった。 「なんだ、起きてるじゃないですか。良かった良かった。いやあ、クスリが効きすぎてしまったのかと思いましたよ」  それじゃあ、と彼は大袈裟に両手を広げてみせる。 「説明いたしましょう。皆さんにはね、これからデスゲームってやつをやって貰おうと思うんです。これ、政府主催なんですよ?その名もね、追いかける人ゲェムっていうんですよね」
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