ゼパルはひたすら追いかけられた。

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『電子マネーになるとか超便利』 『情報が錯綜しすぎててワロタwww』 『そりゃみんな、お金はほしいからね。独占したいやつは他の人に話したくないわよねwwww』 『ゼパル星人ちゅわああああああああああああああああああああああああああああんっ!!!!!』 『その金があれば働かなくても生きていけるしぃ!』 『仕事やめたい仕事やめたい仕事やめたい仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事やめさせろおおおおおおおお!』  こんな書き込みが、それはもう次から次へと。  追いかけるだけで、莫大なお金を落としてくれる異星人。みんなの心を掴むのには充分だったのだろう。 「私、そろそろタバコ代きつくてさぁ」  不良にがっつり足を突っ込んでいるカオちゃんは言う。 「だからお金ほしいとか思ってたけどぉ。マナミと一緒に下級生カツアゲしても、絞れるカネなんかたかがしれてっじゃん?だからって人に頭下げてバイトするとか超タルいしさー。つか、仕事って一生したくねーっつーかさー」 「わかるわかる。あたしも親に言われててうぜーって思ってたんだよね。このままじゃまともな大人になれないぞーとか、卒業したあとどうすんだーとかさぁ。お前らみたいなクソな大人がいるからあたしら子供が将来夢見られないつーのにね」  うんうん、と頷くあたし。  あたし達は三年生。しかし、大学受験の準備もしてなければ、就職活動もしていなかった。大人にレール敷かれる人生なんてまっぴらごめんだったからだ。  毎日に遊んで、好きなことだけやって生きていきたい。毎日大人たちのように死んだ目をして仕事に行くのも、眠たい勉強をやって何が楽しいかわからない大学に入るのもごめんだった。  将来のプランなんてひとつもない。  でも、やりたい遊びや欲しい物ならいくらでもある。特にあたしはいい加減、たまにブルスクするようになったボロいパソコンを買い替えたいと思っていたところだ。今の親からの小遣いじゃ、いくら貯めても足りない。ならば。 「探すか、あたし達も!金のなる木もとい、ゼパル星人とやら!」  その直後である。誰かが“ゼパル星人がいた!”と叫んだ。  もうすぐ休み時間が終わるというのに、生徒たちはみんな窓から身を乗り出してそちらに釘付けになる。
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