ランニング

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ランニング

「よし」  次はランニングマシ。  もう一列マシンが前方に並んでいる。その向こうはガラス越しに大きなスタジオ。走る時間と速度を低速モードにセット。顔を上げゆっくり走り始める。  あのひとが前列のマシンにやって来た。後ろ髪もバーコード。 「あっ、走り始めた」  90度に折り曲げた両腕を体の両脇で交互にきちんと振っている。少しガニ股。  トントン、トントン、いい感じ。バーコードがくずれていく。 「中速モードかな?」わたしも誘われるようにこのモードに手が伸びる。  わたしはタタタタ、タタタタ。 「はっ、速い!」後ずさりが始まった。
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