0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ランニング
「よし」
次はランニングマシ。
もう一列マシンが前方に並んでいる。その向こうはガラス越しに大きなスタジオ。走る時間と速度を低速モードにセット。顔を上げゆっくり走り始める。
あのひとが前列のマシンにやって来た。後ろ髪もバーコード。
「あっ、走り始めた」
90度に折り曲げた両腕を体の両脇で交互にきちんと振っている。少しガニ股。
トントン、トントン、いい感じ。バーコードがくずれていく。
「中速モードかな?」わたしも誘われるようにこのモードに手が伸びる。
わたしはタタタタ、タタタタ。
「はっ、速い!」後ずさりが始まった。
最初のコメントを投稿しよう!