その1 はん長はおんみょうじ!?

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その1 はん長はおんみょうじ!?

 ここは海の近くの町にあるいるか小学校。どこにでもあるふつうの小学校と言えばこのおはなしは終わってしまうかもしれない。けれど、5年2組の脇坂朝子(わきさかあさこ)は、ちょっと変わった家の子どもだった。そのひみつを知っているのは、5年2組の「2はん」だけ。2はんは、朝子ちゃんをはん長として、宮代(みやしろ)みさき、松岡明弘(まつおかあきひろ)小林(こばやし)あや、そして宮崎涼太(みやざきりょうた)の5人組だ。1学期のクラス替えの時に、先生のくじ引きで2はんが決められた。もちろん、性格や見た目はバラバラで、それぞれ頭が良かったり運動神経がバツグンだったりする。  その中でも、はん長の朝子ちゃんは家が少し変わっていた。神社の中に家があるのだ。もちろん、神社の近くには公園があるので、よく涼太くんがサッカーの練習に来ている。そのようすを、朝子ちゃんは毎日見ていた。 「わたしも、涼太くんみたいにサッカーができたらなぁ……」  そんな事を思いながら、朝子ちゃんは家のお手伝いをしているのだ。もちろん、毎日の宿題は欠かせない。
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