幽霊が恋しちゃダメですか?

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オレは自分の考えが甘かったと思い知らされる事になる。 「あの~、加菜恵さん。そろそろ成仏して頂けませんかね?」 オレがお願いする度に照明が着いたり消えたりするから「電気代が~!」となる。友達と3泊4日の九州旅行に行って帰って来た時には、ホントに窓ガラスが粉々に割れていて、「修理代が~!」となった。 毎回ガラスを割られたらシャレにならないので、先に彼女が現れる予定日を決めてもらって、それから飲み会だったり旅行の予定を入れる事になった。 たまに残業で帰りが遅くなる時には、スマホを鳴らして報せるルールを作った。毎日スマホを持たずに出勤するオレに、会社の同僚達は不思議な顔をしていた。そして戻るのが遅くなった時には、彼女が生前好きだったファンタグレープとコアラのマーチを買うようになった。 そんな奇妙な同棲生活が2年続いた後、彼女が寂しそうに告白して来た。 「成仏を拒否するのもいい加減にしなさいって、神様から怒られちゃったよ。明日までに彼氏とお別れしなさいって」 オレは寂しい気持ちを抑えるように、「お、おう。早く成仏してまた産まれ変わって、今度はちゃんと幸せになった方が良いよ」 と答えた。
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