▲独占欲▲

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柳沢くんの家に行くのはこれで三回目。 柳沢家の最寄り駅もなんだか見慣れた気がする。 「母さん、連れて来たよ」 柳沢くんは玄関に私を残してお母さんを呼びに行く。彼女を連れて来るということは予め伝えてくれていたみたいだ。 部屋の奥から出てきたのは、この前少しだけ話した美人。 彼女は私を見て目を見開いて。 「この前の奏多のクラスメイトの子……」 「はい。その節は」 「そう、貴女が」 ぽろぽろと涙を流し始めた。 「え⁉あの、大丈夫ですか?」 「ごめんなさい大丈夫。この子が恋人を連れてくる日が来るなんて……感慨深くて……」 柳沢くんは大きな大きなため息をつく。 「こうなると思ったから会わせるの嫌だったんだよ……」 「だって今までうちを訪ねてきた女の子なんて、あなたのストーカーみたいな子しかいなかったじゃない」 柳沢くんのお母さんは、涙を拭って私の手を取った。
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