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バタバタバタっとすごい勢いで出かけていく柳沢くんのお母さん。
ガチャンと扉が閉まって、辺りがシンとする。
「何か、忙しそうなお母さんだね」
「うん。色んな意味でね」
柳沢くんは呆れたように肩をすくめる。
仲の良い親子なんだな。
それから、玄関に付近で突っ立っていても仕方ないと柳沢くんの部屋へ移動した。
相変わらずシンプルな部屋だ。
柳沢くんはベッドにもたれかかるようにして座った。
私は少し迷って、小さなテーブルを隔てて向いに座る。
すると、なんだかとても不満そうな顔をされた。
「……遠い」
「え?」
「こっち来て」
こっち、とは?
あの、柳沢くん、自分の足を指さしているように見えるんですが……。
恐る恐る近づいていくと、手を引かれて……本当に膝の上に座らされてしまった。
必然的に密着して向き合う形になって。
「ええええっと?あの、柳沢くんこれは?」
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