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柳沢くんはそう呟くと、抱きしめるようにしながら顔を近づけてくる。
あ、これは……
キスされる……と思って、目をぎゅっと閉じて身構える。
けど。
「あいたっ」
おでこにゴンっと何かをぶつけられた衝撃が走る。
「警戒しすぎ」
柳沢くんが私にぶつけた額をくっつけたまま、呆れたように言った。
「ご、ごめん!でも……」
「でも?」
「い、嫌って思ってるわけじゃなくて……緊張してるだけで……」
だからつい固まっちゃうだけで……とごにょごにょ言い訳を重ねる。
と、柳沢くんがにやりと笑った。
「知ってる。嫌がってたらさすがにしない。……ハスの力で本気で抵抗されたら大怪我するし」
ごもっとも。
まあでも、嫌がってるんだと思われてなくて良かった……。
そう安心したのも束の間。
「じゃあさ、慣れるためにもそっちからキスしてみてよ」
「えっ」
「前に一回してくれたじゃん」
「あっ、あれは頬っぺただったし」
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