▲独占欲▲

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聞いてるのかな?? 柳沢くんは私の顔に手を添えて、くいっと自分の方を向かせる。 「あーあ。どうやったらハスの目に俺以外映らなくなるのかな」 その言葉に、私は少しムッとした。 わかってない。柳沢くんは全然わかってないよ。 「もうとっくに、私の目には柳沢くんしか映らなくなってるよ」 私はゆっくり、柳沢くんの背中に腕を回す。 そして今度こそ、一瞬だけではあるけど、柳沢くんの唇にキスをした。 柳沢くんは一瞬呆気にとられたような顔をして、天を仰いだ。 「……この状況で襲わず我慢してる俺を褒めて欲しいんだけど」 「褒め……?すごいね?」 「いや意味わかんないならいい」 何なんだ? ていうか、どっちかっていうと、ちゃんと唇にキスした私を褒めるべきでは? ……まあ、いっか。
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