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「はは」
苦笑して、もう一度手に視線を落とす。
糸は、全く違うものでただのゴミかもしれない。
もしくは、どこかからただただ偶然に同じ色の糸がとんできたのかもしれない。
この世界は、同じようなものとか人で溢れているから。
でも、間違いない結果がないなら、もしも、を都合よく奇跡として決定づけていいかもしれない。
「また会えたね」
届かない声を空に向けて呟いたら、電線の上に止まっている数羽の雀が囀った。白い雲が殆どない気持ちいいぐらいの青空を背景に仲良く談笑しているような姿の鳥は、私の心の奥でくすぶっていたモヤモヤを羽ばたきで飛ばしてくれた。
……ような、気がした。
そんな、また会えたね、とか勝手に思った、私の話はこれでおしまいだ。
fin
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