百合アンソロ面白かった話

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百合アンソロ面白かった話

『貴女。』っていう百合アンソロ本を読了した。 表紙が蛍光ピンクなんです。なぜか知らんのですが、百合の本ってピンク多い。私が今作ってる百合短編集も、背景ピンク。 この本は、たぶん、『彼女。』っていう百合アンソロが、同じ会社から前に出てて、その売れ行きが良かったから作った、2作目っていうことになるんだと思う。 全然刺さるところがなかった、と熱心な百合マニアが言ってたので全く期待していなかった。たしかに、1作目を読んだときは、そうだね、百合マニアの言うとおりだね、と思ったんですけど、最後まで読むと、2作ほどめっちゃ面白い話があった。 どっちもミステリ作家さんの短編なんですけど、ここではそのうちの、最高に面白かった話に触れようと思う。 それは本のラストに置いてある作品で、前にカクヨムで百合の最終選考してらした斜線堂せんせいの作品でして、斜線堂せんせいはミステリ作家としても一流でありながら、くだらない系の百合をお書きになる腕にも長けておられ、捧腹絶倒のラブコメだった。 大学生の先輩後輩ものなんですけど、先輩が冒頭で事故に遭い記憶喪失になる。記憶喪失になったのをいいことに、後輩は先輩と前から付き合っていたと嘘をつき、強引に同棲生活になだれ込む。 しかし記憶が飛んだ先輩は、前の、正義感の強いかっこいい甘え上手な先輩から、クソめんどくさい系の陰気な女になっていた。2人称まで変わっていた。しかし生来の聡明さは変わっていないので、後輩が即席で作り上げた偽りの同棲生活の矛盾を、ちょいちょいすぐに見抜いてしまう。 それでも後輩は、何とか先輩をだましつつ恋人関係を続ける。その後輩が抱える多少の背徳感と、めんどくさくなった先輩を変わらず慕うちょっと体育会系なまでのガッツのある心情描写が、笑いに全振りされていてすごく楽しいです。 この同棲は先輩が記憶を取り戻すまでの、時限付きのものなんですね。だからいつその爆弾がはじけて二人の関係が壊れるかわからない、という、幸せの中にも悲しみがある、複雑なエモみが内包されているコメディ。 しかも先輩が記憶を取り戻すと、一転、コメディから胸糞百合に変わり、最後は最高になる、という起伏のある話の作り方が、短編なのに厚みがあって、さすが第一線のミステリ作家って感じでホントすごかった。この話があるおかげで、1作目のアンソロよりずっと、読んでよかったと感じた。 ------------------ コメありがとうございます 雑記帳3rd/p277/きゃ〜💕素敵な表紙✨目を引きますね!R指定といっても度合い次第ですよね。自分も一応Rつけているものもありますが、総合ランキング上位の作品読んでみたら、比じゃなかった…。 →そうそう、ランカーのR度合いはけっこう激しいの多いですよね。表紙、かわいい女の子なので、もしかするとすでに誰かの表紙と被ってるかもしれないなという不安があります笑。 ------------------ 雑記帳3rd/p277/読みたい!! →ありがとうございます、これからエブリにテキスト入れて予約かける作業して、10月くらいには出せるかなと思います。やっぱりRはスタ特に入れることにしたよ。 ------------------ 雑記帳3rd/p277/素敵な表紙ですね!R指定、ストーリーに必要なら本文に入れたいですよね…見えるところにR置くのは照れがある…分かります~! →ありがとうございます。表紙って、人に頼まれて作るほうがいいものが作れる気がするんですけどね! なんか張り合いがあるので。
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