こないだ読んだ本の感想

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こないだ読んだ本の感想

今日は読書感想書きます。 『なれのはて』を読んだんですよ。 この本は、有名な男性タレントさんの作品です。書き方には気を付けるけど、熱烈なファンの人、気に障ったらごめんね。 『なれのはて』は、小〇現代の10月号に全編掲載されていて、同じタイトルで、それが10/25にハードカバーで発売する。 だから10月号に掲載されたのは先行お試し版。でも本来2000円くらいで売り出されるはずのものが、1200円で読めるのでお得。 『なれのはて』の作者であるタレントさんは、腕のある作家としても知られていて、過去に著作がいくつも賞を取っている。ちなみに私は『なれのはて』がこの作家さん初読みです。 『なれのはて』は、昭和と令和を行き来しながら話が進むミステリー×ヒューマンドラマ。 一枚の作者無名の素晴らしい絵画があって、それで個展を開きたい女子と、報道命だったのにやばい案件に携わったことで、仕事を干されて飛ばされてきた男子がタッグを組んで、個展までこぎつけられるのか? みたいな話。 石油がキーワードで、石油で財を成した猪俣家という地方の超名士が、この男女タッグの行く手に立ちふさがる。その地域では、警察より猪俣家が合法、みたいな。 その猪俣家の主人が、その無名の絵を、超高い値段で欲しがるんですよね。その裏には、この一族に隠されたおぞましくも悲しい秘密があって……、みたいな。 読んだとき、この作家さん、比較的お若いのに老成した話を書かれるな、って思った。あと、石油や昭和当時の空気感なんかをすごく緻密に調べていらして、タレント活動と並行してるのにすごい密度だなと。 おそらく彼は、直木賞を狙っていくためにこの作品を書いたんじゃないかなって感じた。展開の意外性、ほどよい残酷さ、内容のニッチさ、現代感、下調べ量、話題性、どれも直木賞レベルの感じがする。 直木賞ってどういう基準で選ばれるのかわかんないんですけど、おそらくノミネートされそう(適当)。 もしこれから読む人は、人物相関図を描きながら読んだほうがいいです。人間関係が割と煩雑なんですよ。 描かずに一読で内容が完全に理解できたら、かなり記憶力がいい人なんじゃないかな……。 あと、読むときは、ちょっと腰を据えたほうがいいかなって思う。 また、乙4の資格を持っていると、あーそうそう石油ってそうだよねーって思えて楽しく読める部分がある。
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