わたしのこと憶えてないよね？

　家に帰ると、気も漫ろで三日目のカレーを温め、食べながらスマホで検索してみた。一人暮らしとはいえ、Googleさんには何を検索しているか知られるのだと思うと恥ずかしい。違うよ。美智子さんが調べてみてって言うから仕方なくだよ。積極的にじゃないからね。脳内でなぞの言い訳を試みるも、指は素直に『女性用風俗』とタップしていた。
「マジか……」
　期待はしていなかった。していなかったが、想像以上に若いイケメン風が多くておったまげた。正直、ドスケベ丸出しの亀仙人みたいないぶし銀のおじさんしかいないと思っていた。顔は部分的に隠されているので、はっきりとはわからない。でも、超絶美形ではなくても雰囲気でイケメンは確定している。年齢も下は二十代前半から上は四十代後半まで、爽やか系からダンディ系、マッチョから細身まで幅広く取り揃えている印象。それだけ需要があるということなのだろうか。知らなかった世界を覗くと好奇心が疼く。