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次に彼女に再会した場所は行きつけの動物病院。
ラブは今年で12歳になる。大型犬の寿命は短い。だからもうそんなに長くは生きられない。老年期の犬の定期検診は欠かせない。
一方ケントは3回目の混合ワクチン接種のための来院と聞いた。
「ケントは保護犬だったの。生後7か月でうちにやってきたんです。ブリーダーしてた人が廃業したせいで行き場がなくなっちゃったんだって。知り合いから譲渡を持ち掛けられて、迷ったのだけれども、以前居た子と同じ犬種だと聞いたからこれも縁かなと思って。以前飼っていた子が死んでからずっと犬を飼う気になれなかったのだけど」
「ミカさんは以前も大型犬を飼ってたんだ?」
そう聞いた俺に彼女は頷いた。
「3年前に家族で看取ったんです。あのドッグランはこの子にとっては初めてだったの。ラブちゃんがうちのケントと仲良くしてくれて嬉しい」
きょうは2匹ともリードをつけたままだったけれども、すでにお互いに知り合いの感覚なのだろう。隣同士で2匹は自然に馴染んでいる。
その日俺たちは連絡先を交換し合った。
さほど日を置かずミカさんからお誘いが来て、今度は待ち合わせをしてドッグランでデートすることになった。
トコトコとマイペースで歩くラブと、その周りをはしゃいでぐるぐる走り回るケントを2人で見守っていたら、不意にミカさんに告げられた。
「ケントさん、私とおつきあいしてもらえませんか?」
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