sideA

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 俺たちは順調につき合い続けた。ミカは俺に住めない不動産を売りつけて来ることもなかったし、怪しい自己啓発セミナーに誘ってくることもなかった。  夏の初め頃自宅に招いて家族に紹介した。最初に疑わしいと発言していた姉は始終愛想よく応対していて、彼女もすぐに俺の家族に馴染んだ。  同じ夏の後半に俺も彼女の家に招かれた。歳がかなり違うからご両親からは不興を買っているんじゃないかと正直ビクビクしていたが、両親ともにめちゃくちゃフレンドリーだった。  その後も互いの家に行くこともたまにはあるものの、おおむね2人でどこかに出かけた。2人だけでデートするよりも、ラブとケントを連れて出かけることの方が多かった。  車に乗せてちょっと遠出したりした。日帰りでキャンプ場に出かけたり、海に行って砂浜を一緒に散歩させたり。  ラブとケントはずっと仲良しだった。おじいちゃんのラブにとってケントは孫息子のようなものだったのかもしれない。  最初の1年はラブは動作は少々緩慢になっていたりはしたが割と元気で、ご飯もよく食べたし、じゃれついてくるケントをいなしながらも結構楽しそうにしていた。
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