NO ESCAPE,NO LIFE

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 僕は乱れる息を整え、手紙を取り上げるように受け取り、細切れになるまで破いた。 「受け取れるわけないだろう」  野次馬のテンションが絶対零度に冷え込むなか、凛の激昂に備えて、いつでも逃げれるように身構える。  しかし、凛は微動だにすることなく、みるみるうちに瞳に涙を溜めていった。 「がんばって……書いたのに」  まばたきで押し出された雫が頬を伝うと、凛は「あれ、なんでだろ」と不思議そうにごしごしと目頭を拭った。  凛が家庭の事情で不死者である僕を殺そうしていることなど、野次馬たちは露も知らない。「女の子からの手紙を破くなんて最低」「このゲス野郎」といった非難や罵声が上がり、生徒たちは暴徒化の兆しを見せ始めた。  メンタルまでは不死ではないので、正直、罪悪感で死にそうだ。
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