第5話 日記

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 私はすぐに『なぎゅん』に電話をかけた。  でも、『なぎゅん』はなかなか出てくれない。  私は一旦通話をキャンセルしたけど、『なぎゅん』は私の電話に気付いたみたいで、すぐにかけ直してきてくれた。  私は通話ボタンをタップすると、電話に出られなかったことを謝る『なぎゅん』に、暗号が解けたことを知らせる。 「えっ!? さっきの今でもう解けたの!?」 「うん、たまたますぐに連絡が取れたんだ。簡単な暗号だったから、あっさり解いてくれたよ」  私が『なぎゅん』に暗号の解き方を伝えると、『なぎゅん』が急に大きな声を出した。 「ああ! 言われて思い出したよ! 確かにそういう暗号だった!」  ちゃんとした文章が読み取れたからには、正しい解読なのだろうと思ってはいたけど、やっぱり『ペンタブ』さんは間違っていなかったみたいだ。  私はほっとしていると、『なぎゅん』が続けて言う。 「確か、わざわざ暗号表を作るのは大変だから、暗号表を使わずに済むシンプルな暗号にしようと思ったんだよね。結局解き方忘れちゃったけど、読めるようになって良かったよ。どうもありがとう。名探偵さんにも、お礼言っておいてくれる?」 「わかった。また何か解けなくて困ってる謎があったら、教えてね」 「うん、その時にはまた相談させてもらうよ。またね」  私は『なぎゅん』に別れの挨拶をすると、電話を切った。  そうしてスマートフォンの画面をカメラに切り替えると、丁度顔を洗っている真っ最中のにゃん三郎を撮る。  これからしばらくは、毎日にゃん三郎の写真を撮るつもりだった。  どうせならできるだけ新しい写真の中で、一番可愛く撮れた写真を載せたい。  『ペンタブ』さんはにゃん三郎を気に入ってくれたみたいだけど、もっとにゃん三郎のことを好きになって欲しかった。  そうしたら本当ににゃん三郎を『ペンタブ』さんに預けることなったとしても、きっと大事にしてくれるだろう。    私は少しスマートフォンの角度を変えると、もう一度シャッターを切った。
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