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私もチョコは好きだけど、チョコミントは歯磨き粉みたいな味がするから、ちょっと苦手だった。
チョコの甘さだけで十分だろうに、チョコミントを作った人は、何を思ってチョコにミントを足そうと思ったのだろう。
そして『ペンタブ』さんは、どういうつもりで人が真面目に話している時に、チョコミント味のポップコーンなんて食べているのだろうか。
私はお腹の底で怒りが小さく沸き立つのを感じながら、平坦な声のまま言った。
「『ペンタブ』さんがチョコミント好きなのはよくわかりましたから、もっと真面目に話して下さい」
「わかりました」
『ペンタブ』さんはポップコーンを飲み込んだみたいで、いつもの声で続ける。
「ちゃんと説明しますが、その前に一つ確認させて下さい。あの暗号は解けましたか?」
「解けたと思います」
私はメモ帳を開くと、そこに書かれた『つきあってください』という走り書きを確認してから続けた。
「『つきあってください』ですよね? これって何なんですか? イタズラですか? それとも遊びや買い物に行こうってことですか?」
「……違います」
きっとどちらかが正解だと思ったのに、意外な反応だった。
でも、この『ペンタブ』さんのことだ。
何を言い出してもおかしくない。
私が心の中で身構えていると、『ペンタブ』さんは小さく溜め息を吐いて言った。
「こうなったら、僕も覚悟を決めましょう」
『ペンタブ』さんは一度言葉を切ると、今まで聞いたことがない真摯さを帯びた声で続けた。
「好きです。僕と付き合って下さい」
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