幸せのシフォンケーキ

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ホテル最上階のカフェの隅で 父と思しき人は待っていた。 父は私達の姿を見つけると 軽く手を上げて目配せをした。 不思議なものだ。 カフェの中には 父と同じような年齢で 1人席に座っている男性もいないわけでないのに 父の姿は父とわかるのだ。 どの人よりも特別で その姿だけよりクリアに見える。 私達が父の向かいの席に着くと 「久しぶり」 と溢れる笑顔で話しかけてきた。 父は髪に白髪を少し含ませていたが かっこいいナイスミドルになっていた。 ブランドのチェク柄のシャツにチノパンという 年齢に比べて若めの服装で品良くキメている。
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