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「帰りは何時ごろ?」
私が玄関で靴を履いていると
夫の優弥(ゆうや)が後を追ってやってきて
聞いた。
「う〜ん
20年ぶりに会うからね。
積もる話もあると思うし。
遅くなるかもしれないから
蜜柑と夕食食べといて」
「お土産買ってきてね」
優弥の足に抱きついた格好で
土産をねだっているのは
5歳になった娘の蜜柑(みかん)
「何がいい?」
「メロンパン!」
蜜柑は今、メロンパンにハマっている。
ごく普通にスーパーで売ってるメロンパンなのだけど
食べる前に少しだけレンジで温めてあげたら
上のビスケット生地が
ほんわり温かく
砂糖が溶けてトロリ甘くなったのが
相当気に入ったらしい。
幼稚園の年長さんになって
ちょっと幼さが抜けた?と思っていたけど
お土産に菓子パンをねだるとこなんか
まだまだ子供だな。
「いってらっしゃ〜い」
2人に見送られ
最寄駅まで早足で歩いて行って電車に乗った。
週末の昼過ぎの電車は混んでいる。
ドア側の角に立ち
スマホのラインをチェック。
「予定の時間には着きそう。
着いたらラインするね」
私・工藤桃華(くどうももか)の
2歳上の姉・絵梨花(えりか)からだ。
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