第5章 すみれとのデート

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 そのまま、なんとなく重たい空気に包まれながら公園の入り口まで歩いた。明るい話題で盛り上げようとしたものの、すみれの反応がイマイチだ。  公園を出たらもう、じゃあねと言ってお別れだろうか。  どうにかしないと!と焦りまくって、咄嗟に出た言葉がこれだった。 「すみれちゃん! 好きです。俺と付き合ってください!」 「え……」  ああああっ! なんてことだ!  あと何回かデートを重ねて、もっと仲良くなってからって思っていたのに、失敗した!  いきなりの告白に驚いているすみれに、いまの無し!と言おうとしたが、先にすみれのほうが口を開いた。 「ごめんなさい」    ――――!  俺、フラれたのか。フラれたんだよな……。  足の力が抜けて、その場にうずくまりたくなる。 「朝比奈君、ごめんね。上手く言えないんだけど……えっと……」  すみれを戸惑わせてしまったらしい。  別に理由なんて言ってくれなくていい。いや、むしろ聞きたくない。 「いいよ、俺のほうこそいきなりごめん。月曜からはまた普通に友達として接してくれたらありがたい」  どうにかそれだけ言った。  笑ったつもりでいたけど、上手く笑えていなかったと思う。  すみれはまだなにか言いたそうな顔をしていたが、それを飲み込むように小さく頷いた。
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