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「フランケン、そりゃないぜ」
冷たいな、おまえ。
「あたしがここに居られるタイムリミットが迫っているの! 火曜日の朝にカズキと会ったでしょう? その前日の夜からこっちに来ていたの。過去に戻っていられるのは5日間だけって決まってるんだよ!」
月曜の夜から5日間ということは……と、指折り数えてみる。
「今夜でおしまいじゃねーか!」
「だからそう言ってるじゃん!」
そういう大事なことは先に言えよ。
自発的に未来に帰る手段があるんじゃなくて、自動的に戻されるのか。だから俺が、もうしばらくこっちに居てくれってお願いした時に、あっさりOKしたんだな。
「もう1回、すぐに戻ってきてくれ」
「無理だよ!」
明るくきっぱり断られた。
そっちがその気なら、こっちだって逃がしゃしねえからな!
フランケンを胸に抱えたままベッドに潜り込む。
このまましっかり捕まえておけば、帰れないだろ。いや、もしかすると俺も一緒に未来に行く可能性もワンチャンあるか!?
フランケンが俺のあごをぺろっと舐める。
「カズキに会えてよかった!」
「なあ、そんなお別れの台詞みたいなの、言わないでくれ」
「だって、もうお別れだもん!」
なんだろう、この温度差は。これが人間とAIの隔たりなのか?
「カズキ、大好きだよ! 元気に100歳まで生きてね!」
これがプログラムされた言葉だとわかっていても、どうしようもなく胸に響く。
「俺も大好きだよ、フランケン。ありがとな」
「どういたしまして!」
最後まで明るく元気なフランケンが、俺の腕の中から姿を消した。
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