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「 さなー、さなー?? 」
次の日、約束の時間にさなの家に向かうが、留守なのか返事がない。
粘ること30分、階段を登ってくる音がして体が固まる。
「 あ、あいみちゃん。さな知らない?昨日の夜から連絡つかなくてさ 」
「 さとし君…。私もさなと約束があって来たんだけど、留守みたいで 」
現れたのは、さなの彼氏のさとし君。心配する様子の彼は、私の言葉を聞いて探しにいくと言い再び階段を降りていった。
まさか、と嫌な思考が生まれ、連絡のつくメンバーのりおとななに電話をかける。
幸いにも3人ともSNSはやっていないようで、清水さんからの連絡はなさそうだった。
何かあったのかと、緊急で集まり昨日の話をすると、りおが不思議なことを話し出す。
「 あのさ、最近1人で歩いてるとハサミのような音がよく聞こえるんだよね 」
「 ハサミ? 」
「 そう。シャキンシャキンって、後ろから 」
「 ホラーじゃん 」
「 だけど、誰もいないんだよ 」
ハサミで思い出す、清水さんの持っていたと言う剪定バサミ。
りおとななと3人が、同じことを思う。
清水さんが、近づいて来てる。
怖くなった私たちは、暫くほとぼりが冷めるまで一緒に行動することにした。私の家で、3人で暮らし帰宅時間も合わせて帰るように。
しかし、帰宅が遅くなったある日のこと。
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